看護師を続けたい人は要チェック。職場の福利厚生は大丈夫?

新型コロナウイルスが広まる中で、看護師の転職市場が過熱しています。転職理由は様々ですが、元々離職率が高く転職が活発な業界が更なる転職過熱を起こしています。その激化する看護師の転職市場の中で、かしこく転職に成功出来るノウハウを紹介します。
転職に失敗する人は看護師に限らず共通していることがあります。それは行き当たりばったりで転職活動をしている人です。働く場所探しは毎月決まった給与をもらう場所探しだけではありません。それだけに転職には手順が存在します。
このコラムでは、看護師を続けるうえでとても重要な要素の一つ「福利厚生」について触れながら、かしこく転職に成功出来るノウハウを紹介させて頂きます。
看護師の福利厚生にはどんなものがあるの?
今現在、看護師として働いている人に伺います。自分の職場の福利厚生にはどんなものがあるのか?即答できますか。恐らく即答できる人の方が少ないでしょう。福利厚生と一言で言っても、その中身は多岐にわたります。
福利厚生には法定福利厚生(法律で義務づけられている福利厚生)と法定外福利厚生(会社や法人が独自に設ける福利厚生)がありますが、看護師の職場の福利厚生にはどんなものがあるのかをご紹介したいと思います。
法定福利厚生
法定福利厚生 | 解説 |
健康保険 | 従業員やその家族が病気や怪我をした場合に、医療費や治療費を国に負担してもらう保険制度です。 |
厚生年金保険 | 国民年金保険と合わせ、会社員が加入できる保険制度です。 |
雇用保険 | または失業保険とも言います。自分都合や会社都合で失業や退職をした際、転職先が見つからない時などに手当が給付される制度です。 |
介護保険 | 介護認定を受けた65歳以上の人が対象になります。介護サービスを受ける為の費用の一部を負担してもらえる保険制度です。 |
労災保険 | 就業中もしくは通勤中、その他には帰宅中や移動中に負傷した際、保険料の給付を受けられる制度です。 |
児童手当拠出金 | こども子育て拠出年金とも言います。 児童がいる家庭に給付される拠出金です。子育て支援事業の資金にも活用される年金制度です。 |
これらの福利厚生は法律で定められています。極めて稀ですが一般企業の中には健康保険や厚生年金をかけずに働かせている会社もあります。医療関係ではないとは思いますが、自分が受けている福利厚生を給与明細などで確認してみて下さい。
法定外福利厚生
法定外福利厚生 | 解説 |
交通費 | 電車やバスなどの公共交通機関の定期代、車通勤の場合はガソリン代、駐車場や駐輪場代の負担など。 |
住宅手当 | 住宅ローンの一部負担や家賃補助、借り上げ社宅、社員寮など。 |
健康診断の実施 | 定例の健康診断や人間ドックの補助。その他にはオフィス専門の整体師の出張マッサージ。またシャワー室や仮眠室、浴室の設置。近年ではフィットネスクラブやスポーツジムの会費負担。 |
慶弔災害 | 冠婚葬祭などお見舞金や祝い金の支給 |
育児や介護 | 短時間勤務制や社内託児所、保育所などの設置有無 |
特別休暇制度 | 誕生日や結婚記念日などアニバーサリー休暇やリフレッシュ休暇。 |
自己啓発 | 資格取得支援やセミナー、通信教育の受講料負担。 |
文化・体育・レクリエーション | 社員旅行や交流会、食事会の開催 / 社内のクラブ活動に対する補助 / 保養所やホテル・旅館、レストランなどの割引補助 |
共済会 | ライフサポートサービスや社会貢献事業などの相互扶助事業。 |

さてこの法廷外福利厚生が、最近は何かと話題です。特にIT関連の大手企業は福利厚生面にとても力を入れています。若い人材を確保するためにそうしていると聞いていますが、医療関係の職場においては経営者側の判断で随分と差があるようです。
法定外福利厚生は法的な強制力がないために、経営者の判断にゆだねられる場合がほとんどです。利益が出ている職場、経営者がスタッフ思いのケースなど経営状況や経営者の人柄、労働組合の力関係などにより、法定外福利厚生は変わってきます。
一見当たり前のように受けていた福利厚生が法定外の福利厚生であったり、今の職場では全く話題にも上らない福利厚生があったりしませんでしたか?実はこの福利厚生の中身が、看護師さんの離職率の高さ改善に繋がってくるという声を聞いたことがあります。
福利厚生の充実した職場ほど離職率が低いと言われていますし、また常に新しい人材が加わってくるものです。今の職場と比較してみて下さい。
看護師さんが転職する際、転職先の福利厚生を事前に知る方法
福利厚生については、ハローワークや求人情報媒体を見ても多くが法定福利厚生しか書かれていないケースがほとんどです。法定外福利厚生に力を入れている職場は強調してくるのですが、多くの職場が強調するような法定外福利厚生を実施していないのでしょう。
また人材を募集する人事担当者が法定外福利厚生を分かっていなく、掲載されていないケースもあります。いずれにしても転職活動を行うにあたり、求職者側から面接を受ける職場に法定外福利厚生のことを聞くのはハードルが高いと感じる人が多いと思います。

転職前に面接先の福利厚生の内容を知る方法
転職エージェントを使った転職活動を行うことで、面接する前に面接先の福利厚生について詳しく知ることができます。また福利厚生が充実している職場をピックアップしてくれるのも転職エージェントを使った転職活動の強みの一つです。
転職エージェントは求職者に転職候補先を紹介する際に、求職者の転職ニーズをリサーチした上で転職候補先をリストアップしてきます。転職ニーズリサーチの際に、そのニーズに適応する福利厚生を有しているかも含めてリストアップして来ます。
転職エージェントは求人を出す医療関係施設を事前にリサーチして、求人票には現れて来ない良い面や悪い面を調べています。転職活動の際に求職者が知り得にくい情報を数多く握っているのも転職エージェントの強みです。
転職を検討している看護師の方々にしても、できるだけ転職回数は少なくしたいものでしょう。また若い看護師さんであれば人生設計に合わせ対応可能な職場で働きたいと考えている人も多いはずです。
今の職場の福利厚生はいかがでしょうか。より充実した福利厚生を提供する職場で働きたいと考える人ほど看護師の転職に特化した転職エージェントに登録して、カウンセリングを受けてみる価値があると思います。
体験談:大手に憧れ大学病院に転職、でも結局出戻ることに…。
この話は私の妻が若い頃にお世話になった先輩の話です。

名前:栗橋 玲子
年齢:30代
転職歴:看護学校併設病院→大手大学病院→最初に就職した職場に出戻り
栗橋さんは高校卒業後に看護学校に入学、病院併設型の看護学校で働きながら看護師の資格取得のために学んでいました。初めの2年間で准看護士の資格を取得し看護学校の併設される病院に就職、お礼奉公です。引き続き勉強を重ね正看護師の試験も突破、お礼奉公の契約年数を務め念願の大手大学病院へ転職しました。
ところが転職から約10年、最初の職場に戻ってきたのです。結婚後に双子を出産、お子さんが幼い時に離婚してしまいました。大学病院には託児所が併設されていないために勤務継続が困難となり、託児所が併設される元の職場に出戻る形となったのが理由です。
栗橋さんが就職した大学病院は、独身でバリバリ働く若いキャリア看護師が必要な職場、シングルマザーで急に休むこともあり、勤務時間が制限される栗橋さんは不向きな職場になりました。栗橋さんは、お子さんの面倒を見てくれる人が近くにいないのです。
そのために悩んだ末、24時間託児施設のある元の職場に復帰することになりました。看護師さんに限らず女性が働き続けるためには、福利厚生の中身も重要になってきます。24時間病棟で働く看護師さんほど、連休の取得も困難で休みの融通は利かないと聞きます。
給与が高い職場は憧れますが、長く勤務する必要性を考える時ほど職場の福利厚生は重要になってくるという実例です。
まとめ
医療機関で働く人たちは一般企業、特に中小零細企業よりも福利厚生は充実しているものです。ただし福利厚生にも法廷内と法定外の二種類が存在し、自分のライフプランに際して合う合わないという点も、職場選びには重視されてきます。
転職を考えるときは、転職希望先の福利厚生には十分気を配って確認するようにして下さい。失敗しないためにも情報を握り、アドバイスもしてくれる転職エージェントを使った転職活動をおすすめします。
編集長から見た看護師の転職におすすめの転職エージェント
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編集長MR.お~!から転職エージェント活用の心得え
- 転職エージェントは一つに絞らずに複数の転職エージェントを利用すること!!
- 労働条件や業種、職種、年収など希望をまとめておくこと!!
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