看護師の転職方法を誤るとどうなる?失敗事例に学ぶかしこい転職ノウハウ

新型コロナウイルスが広まる中で、看護師の転職市場が過熱しています。転職理由は様々ですが、元々離職率が高く転職が活発な業界が更なる転職過熱を起こしています。その激化する看護師の転職市場の中で、かしこく転職に成功出来るノウハウを紹介します。
転職に失敗する人は看護師に限らず共通していることがあります。それは行き当たりばったりで転職活動をしている人です。働く場所探しは毎月決まった給与をもらう場所探しだけではありません。それだけに転職には手順が存在します。
今回のコラムでは転職に失敗した人の失敗事例から学ぶ、転職を決める際に考える基本事項をご紹介したいと思います。
知人看護師が転職に失敗した事例
失敗事例、誰でも気になると思います。まずは今回ご紹介する知人看護師の転職失敗事例から紹介しますのでご覧下さい。

名前:平林 和美(仮名)
年齢:40代前半
知人看護師の平林さんは妻の看護学校の同期生です。妻曰く勉強熱心で、気持ちはとても優しい人なのですが、一つだけ大きな弱点があったそうです。それは散財癖…。炭水化物系の食べ物が大好きで、食べたいと思ったらお店が遠くなら旅行を兼ねてでも食べに行きます。
時には日帰り、時には夜行バスで移動して翌日には戻ってくる。周囲は巻き込まず一人旅をしていたとか。とにかく雑誌やネットで気になった食べ物を見つけると、ブレーキが利かなくなり衝動的な行動に出てしまう人でした。
平林さんは准看護士の資格を取得後、数年かかって正看護師の資格を取得します。勉強のための費用は勤務先の病院が負担してくれましたが、資格取得後はお礼奉公として数年勤務したそうです。そして転機は30代に差し掛かるころに訪れます。
お礼奉公を終えた平林さんですが、正看護師になったにも関わらずたいして収入が増えず、お礼奉公終了後もそれほど給与が上がりませんでした。そして別の病院へ転職し、給与が上がりました。
ここからが平林さんの人生の転機になります。給与が増えた平林さんは、大好きな食べ歩きの旅に拍車がかかるだけではなく、自宅もきれいなマンションに移転し自動車を購入。自動車購入は一人旅をより効率よく実行するためだったそうです。
そのために休みとあれば遠くに出かけて食べ歩きを繰り返してしまい、せっかく増えた収入では支払いが追い付かないほどになります。そこで平林さんはある決断をします。それは夜勤のバイトの掛け持ちです。この時の判断がのちに大きな失敗につながります…。

忠告を聞かず転職に失敗した平林さんの例
勤続10年弱、正看護師として職場での信頼もあり、給与だけで転職を決めてしまった平林さんの失敗はここまでで読み取れたと思います。しかし平林さんの失敗はそれだけではありません。
転職に反対した上司を無視してまで転職に踏み切った平林さんの周囲には、誰も忠告する人がいなくなっていました。そして新しい職場では趣味を優先し、人付き合いもせず知り合いがいない状況下で生活を続けたそうです。
支払いが大変になり夜勤のダブルワークを始めたのですが、この時も誰にも相談せずに他の病院の夜勤バイトに応募して始めました。もちろん収入はさらに上がりましたが、平林さんはさらに趣味を加速させ、収入以上の支払いに追われる生活に陥ります。
平林さんは結局身体を壊し、借金だけが残ってしまいました。そんな時に私の所に相談に訪れたわけです。借金を整理するべきか、より高い給与を支払ってくれる病院はないか、そのための転職方法は…。そんな話を始めました。
私は平林さんの話に耳を傾けているうちにあることに気が付きました。勤務先は車で数十分の近い職場ばかりを選んでいたために、世間が小さくなっていると感じたのです。
そこでまずは車を売却して支払いを減らし、仕事は電車通勤で通えるところにするようにアドバイスをしました。それもなるべく東京都内の都市部の勤務先を選ぶように言いました。そうすることで日常目にする情報も増え、近場で食べてみたいお店も探せますから。
体調を崩した平林さんはダブルワークを辞め、転職エージェントに登録して転職しました。首都圏の地方都市ではなく東京の大きな病院です。給与も前職よりは少し上がりました。食べ歩きの一人旅は自粛し、近くのお店にこだわって趣味を楽しむ生活を始めました。
知人看護師が転職に失敗した原因を分析
平林さんの失敗事例を見てどう感じましたか。趣味を優先するために周囲の助言を無視し、しかも収支も考えず「収入が増えたから」と散財を繰り返したわけです。
一見「自分は大丈夫」と思うかもしれませんが、周りが見えなくなるほど好きなことを見つけてしまった人なら誰にでも起こり得るケースです。しかも女性看護師さんの年収は、一般サラリーマン女性の年収平均よりも高額です。
看護師さんは収入が多い分、つい散財してしまいがちです。先輩看護師はそういう人を多く見てきた経験から、転職を反対したと思います。また転職先で人間関係を築かなかったことも、誰からも注意を受けることなく散財を繰り返してしまった結果につながっています。
転職する人の数だけ転職理由は存在しますが、平林さんの転職理由とその後に取ったダブルワークという判断は、忠告する人が周囲にいれば変えることが出来た判断なのかもしれません。
借金を返すことには成功しましたが、平林さんは結婚適齢期を逃してしまい現在も独身です。今は年齢的面もあり一人旅もそれほど出来なくなったことで散財を免れているのですが、転職せずに忠告してくれる先輩の下で働いていれば違う人生があったと思います。

看護師が転職に失敗しないための基本的な注意点
このサイトは転職エージェントを斡旋する記事がほとんどですが、今回は基本的なことを知ってもらうために、転職エージェントとはさほど関係ない失敗事例を伝えました。転職に際して基本的なことを忘れると、無駄な失敗を積み重ねるだけなのです。
数多くの看護師さんと話をしてきましたが、高い収入を得たことでかえって失敗したという経験を持つ看護師さんは少なくありません。また収入が高いことに目をつけ、悪い人に騙されてお金を取られた話も聞いたりしました。
そこで看護師さんが転職を考える上で、基本的なことを書き記したいと思います。
- なぜ看護師の仕事を選んだのか。初心を忘れないようにする。
- 今の職場は初心を貫く上で最適かどうかを改めて判断する。
- 職場に信頼できる上司や同僚がいれば相談してから行動に移す。
- 人生設計を考えた収入と看護師の仕事、家庭環境や趣味など満足出来る範囲を見直す。
転職エージェントを使った転職活動は手段にすぎません。目的は看護師としてどう働いて、自分がどういう人生を生きていくかだと思います。趣味を持つことは良いことですが、趣味に没頭して仕事を忘れ、浪費だけ重ねる人は注意が必要です。
看護師の転職は他の転職よりも優位な面が多い
苦労して得た看護師の資格ですから、この資格を持っているだけで一般のサラリーマンよりは高い収入を得られるチャンスが十分あります。また離職率が高い職種だけに転職サービスも充実していますから、再就職先で困ることも他業種よりは少ないのです。
転職を考えている看護師さんにお伝えしたいのは、なぜ転職をするのかという基本的なことを明確にしておくことだと思います。その転職理由を転職エージェントに登録した際のカウンセリングで伝えれば、転職失敗事例を経験することもありませんから。
まとめ
こんな話をすると看護師さんに叱られてしまいそうですが、私から見ても看護師さんは他の職種よりも給与が高い分、散財傾向にあります。もちろんしっかりした看護師さんがいるのも事実ですが、事務職のOLさんと看護師の給与を比較したら分かると思います。
OLさんはお金の使い方が上手な人が多いです。やはり給与が平均より低い中で、楽しく生きていくための知恵や情報、工夫の仕方が優れている人を多く見かけます。比較的収入が高い看護師さんを見ていると、お金で解決させようとする人を良く見かけます。
転職理由がお金(収入)という人ほど、足元の生活を良く見直してみて下さい。その上で生活改善に繋がる転職であれば、転職エージェントと相談しながら転職活動をしていくことで解決する確率は高くなるはずです。
編集長から見た看護師の転職におすすめの転職エージェント
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編集長MR.お~!から転職エージェント活用の心得え
- 転職エージェントは一つに絞らずに複数の転職エージェントを利用すること!!
- 労働条件や業種、職種、年収など希望をまとめておくこと!!
- 転職完了まで通常3~6カ月程度かかることを理解しておくこと!!
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