ご存知ですか?正社員にするする詐欺 介護士が一人で転職活動をする危険性

最新の転職事情をお伝えするコラム「転職ニュース・ザ・ヒューマンライフ」このコーナーでは世間で報じられている転職に関連するニュースを元に、編集長独自の見解を加えながら転職に役立つ情報をお伝えするコーナーです。
今回は「正社員にする詐欺と憤る男性が受けた仕打ち」のニュースに基づいてお伝えします。
情報元サイト:東洋経済オンライン 3/4(水) 5:10配信
ニューストピックス
正社員になれる。そう憧れて転職活動をしている人も多いと思います。就職氷河期時代に大学を中退し、一緒に契約社員として働いていた20代前半の知り合いもいましたが、彼も「正社員になれるなら」と別の会社へ転職していったのを覚えています。
正社員にこだわる人の心理は様々ですが、多くは収入と社会的な信用の二面性からこだわりが生まれると聞いたことがあります。確かに結婚していると正社員として働いていれば社会的な信用があるように見えます。またローンが通りやすいメリットもあります。
今回のニュースはこうした正社員になりたい人の心理を逆手に取るブラック企業の実態をスクープしたものでした。こうした事例はパターン化されていますので経緯を紹介します。
- 面接時は「正社員になれる」と入社をあおる
- そして即決で採用が決まる
- 入社してから手のひらを返したように「研修期間」を告げる
- 研修期間終了間際に何かと上げ足を取り、正社員採用を延期する
- 最終的には正社員にさせずに雇用を続ける
今回のケースは介護業界ですが、私は他の業界でもこのケースを見たことが何度もあります。今回のコラムではニュースだけでなく、私が目にした経験も含めこのようなブラック企業への転職を避ける方法を解説したいと思います。
介護士が正社員の転職に成功するには
今回のニュースのケースは介護士さんの転職ですが、介護士さんに限らず「正社員にするする詐欺」に遭う人の特徴を紹介します。
- 40歳を超えて正社員経験がない非正規労働者の転職
- 50歳を超えた転職で転職経験が浅い人のケース
- 20代前半で社会経験が薄い若者のケース
今までブラック企業の「正社員にするする詐欺」被害に遭った人を見ていると、上記のケースに該当する人がほとんどです。彼らにはある共通点があります。
一人で転職活動をしていること。
採用する企業側も転職エージェントを仲介せずに直接希望してきた人に対して、ある意味狙って「正社員にするする詐欺」を実行しています。ハローワークを通したケースも同様です。「正社員にするする詐欺」を避ける転職方法はいくつかありますので紹介します。
- 面接した企業を外部情報(ネットなど)や面接時間で見抜く
- 転職エージェントを通して転職活動をする
1のケースでは、数多くの企業を見て来ているなどの経験が必要です。これに該当する人は極めて稀だと思います。やはり転職する場合は2のケースを選択すべきです。

転職エージェントを通した転職活動の場合、求職者の希望に沿った転職先を転職エージェントが絞り込みをして案内してくれます。「正社員にするする詐欺」に遭いたくない場合は、その旨を希望として出せば紹介される企業は安心できる所ばかりになります。
特に介護職の場合は介護士特化型の転職エージェントも多数あり、人間関係の悩みや正社員へのこだわりに応じているところもあるので活用してみると良いでしょう。
編集長から見た介護士の転職におすすめの転職エージェント
介護士ウォッチ
かいご畑
ナイス!介護
マイナビ介護
業界問わず羽振りが良過ぎる経営者の下で働くのは危険
このニュースを読んでいて「やっぱりそうか」と思った点があります。「正社員にするする詐欺」被害に遭った人の中でも極めて稀な賞与をもらっていたケースです。往々にしてこうした企業で賞与を支給する経営者にも共通点があります。
「うちは非正規にもボーナスを出しますから。皆さんにプライドを持って働いてほしいので。」大義だけは立派に聞こえますが、このニュースを告発した被害者の方が受け取った賞与は5,000円だそうです。
人前で話す時は立派なことを言っているようで具体性(支給金額)には触れない。こういう経営者の多くは「飲みに行くとやたらと羽振りが良い」という共通点もあります。そもそも中小規模の介護経営者は「低賃金で働かせて自分は豪遊」と言う人も多いのも特徴です。
求職者がこうした会社を見抜くことは出来ません。それを見抜いて転職先を探してくれるのが転職エージェントなのです。このリスクを回避できるだけでも転職エージェントを使う価値は十分あります。しかも求職者は無料で使えるのですから。
体験談:羽振り良い経営者の下で働いて来た知人の経験

これは私が事業の立て直しの依頼を受けコンサルタントとして取引をした会社での出来事です。業種は介護ではなく飲食業でしたが、実態はこのニュースと似ていました。
私が経営の立て直しに入った時に感じたのは人員不足でした。そしてハローワークを通じて募集を出しました。もちろん正社員雇用の募集です。
面接に来たのは50代半ばの男性、大手企業に長年勤めましたが足を悪くして退職。初めての転職活動だそうです。真面目で腰の低い信頼できそうな人でした。面接には経営者も同席しましたが、経営者はその場で採用を即決してしまいました。
私は即決採用を猛反対したのですが「あんないい人、他の会社に取られちゃうじゃない」と面接前の打ち合わせなど全く忘れ、その場で採用だけを即決。ずるいのは給与面の約束をせずに採用だけ伝えたことです。トラブルは続きます。
私は面接終了前に念のためハローワークに出した研修期間中の給与を経営者同席の上で再確認し、面接者もその旨了承を得ました。入社して一週間すると「思った以上に使えないから彼(新入社員)の研修期間中は時給1,000円ね!」と経営者が私に言ってくるのです。
私は経営者から直接本人に伝えるよう言いましたが、この手の経営者はそれをしません。結局私が伝え同意して頂きましたが、トラブルはこれでは収まりません。
研修期間が終わる3ヵ月目の下旬、何かと文句を言い更に研修期間を3ヵ月延長すると経営者は言いだしました。この段階で私はこの経営者とは決裂し、この会社のコンサルティング契約を打ち切りましたが、費用の回収に3か月もかかりました。
その後、「正社員にするする詐欺」被害に遭ったその人はどうなったのでしょうか。半年間働いて身も心もボロボロになり辞めていきました。奥様が労働基準監督署に訴えると言っていたそうですが、その後どうなったのかは知りません。
この経営者もやはり羽振りが良く、仕事をしない息子二人に役員報酬を支払い、会社のお金で車を与えていました。いわゆる同族企業です。社長以下、役員の苗字が同じ会社のケースですが、この手の会社に入社する時は警戒が必要です。
●●一族を食べさせるために、従業員は低賃金で働き続けなければならない。
悲しい話ですが、実は日本にはこういう企業が沢山あります。正社員で雇用しても10年間昇給も賞与もない会社も聞いたことがあります。転職エージェントを通した転職活動はこうした企業を回避して転職活動が出来るというメリットがあります。
まとめ
介護士さんの場合、中小規模の介護施設に入所すると「正社員にするする詐欺」被害に遭う人が多いと聞いたことはありましたが、ニュースを見てやはりと思いました。
これは介護業界に限ったことではありません。私が見た「正社員にするする詐欺」を警戒する注意点をまとめました。
面接前にブラック企業を見抜くポイント
- 要注意:離職率が高い会社
- 要警戒①ワンマン社長の会社
- 要警戒②どうぞ聞き業の会社
社風が良くても昇給・賞与10年なしという会社もありますから、やはり転職エージェントによく確認する必要があります。一人で転職活動すると「正社員にするする詐欺」の被害者になる可能性もありますのでご注意下さい。
編集長MR.お~!から転職エージェント活用の心得え
- 転職エージェントは一つに絞らずに複数の転職エージェントを利用すること!!
- 労働条件や業種、職種、年収など希望をまとめておくこと!!
- 転職完了まで通常3~6カ月程度かかることを理解しておくこと!!
ご自身のキャリアを見直したい方や今の職場の環境や労働条件にご不満ある方、また転職にご興味ある方、まずは転職のプロに無料相談してみましょう。