保育士の年収は低くない。保育士が年収アップするための方程式とは

保育士の転職市場が過熱していると聞き、具体的なデータを調べているうちにあることに気がつきました。保育士の年収には行政支援や地域格差が明確に出るという事実です。今回は厚生労働省のデータを元に、保育士の年収アップ手法を探ってみたいと思います。
保育士の年収アップ解説前に現状を分析
一億総活躍社会を政府が掲げ、同時に共働き家庭も増えました。専業主婦という言葉は過去のものになりつつあり、同時に女性は産後間もない時期から職場復帰を余儀なくされています。そして都心では共稼ぎ家庭が高級マンションに暮らす風景も見るようになりました。
夫婦で働くことで世帯年収も増え、同時に住宅ローンの上限額も引き上がってきます。借りられる住宅ローンの金額が上がるため、暮らしも豊かになっているという証拠です。しかしながら女性が社会で活躍する為にはどうしても越えなくてはならないハードルがあります。
それが認可保育施設の存在です。認可保育園に落選し「日本死ね!」という言葉が流行したのも最近の話でした。実際問題として待機児童数の格差は自治体により異なります。
待機児童の状況(参照元:厚生労働省)

ちなみに私は都内の某行政区で暮らしていますが待機児童ゼロを3年続け、しかも定員割れしている認可保育園が複数存在しています。そうなると住宅ローンを組む夫婦は待機児童がいない行政区に住まいを購入し、共働き家庭を維持するという構図が出来上がります。
こうした自治体別の待機児童対策の差が、保育士さんたちの年収格差にもつながっていると考えられます。次の表は都道府県別の有効求人倍率です。
保育士の有効求人倍率(参照元:厚生労働省)

有効求人倍率が最も高いのが東京都の5.44倍、平均年収も368万円と最低とされる佐賀県の219万円とその差は150万円近くまで開きが出ます。これは保育士を確保するために行政区が税金を投入して保育士の雇用改善に力を入れているからと言われています。
年収だけではなく、有効求人倍率にも着目して下さい。東京都を例に有効求人倍率について簡単に説明します。5.44倍と言われる東京都の場合、5つの保育施設が一人の求人を獲得するために争っているのです。
見方を変えれば保育士さんが都内で転職活動すると5社内定を得られるという計算になります。これは大まかな数字ですから全ての人に該当するわけではありません。それでも同じ保育士の仕事をするのであれば、有効求人倍率が高い東京で働く方が収入は増えます。
保育士の年収アップに必要な2つの行動

ここまで紹介したデータを元に、年収に悩みを抱える保育士さんたちが年収アップに成功するための方程式なるものを2つ考えてみました。
方程式その1:資格を取りキャリアアップを狙う
現場の保育士さんと中間管理職の主任さん、園長先生とではもちろん年収に格差が生まれます。保育士に限らず資格業は持っている資格に応じて賃金格差が生まれます。ですから保育士として働きながら、キャリアを積める資格を取得するという方法がひとつです。
一般保育士さん(月収20万円強)に比べ、主任保育士さんの給与は+16万円前後(月収40万円前後)、施設長の園長先生になれば+26万円(月収50万円以上)と保育士としての職を極めることで年収を引き上げることが出来ます。(内閣府データ参照)
方程式その2:転職エージェントを活用した転職活動で年収アップを目指す
これは有効求人倍率が高い都道府県になってくるのですが、転職することで年収アップに成功した保育士さんがたくさん出ています。これは有効求人倍率の高さを利用した転職方法と言えます。
冒頭の解説の通り、保育士さんの収入は行政区の支援(投入される税金)により差が生まれます。資金力のある行政区は保育施設の確保と同時に保育士の労働環境の改善と年収面に改善を加え、保育士さんを集めています。
住宅手当に始まり、地方在住の若い保育士さんの上京補助まで転職のために補償する保育施設も存在しています。せっかく勉強して身に着けた資格ですから、少しでも多くの収入につながる場所で働きたいと考える保育士さんも少なくありません。
特に保育士さんの転職市場は活性化され、転職エージェントの中でも保育士さんの転職サポートに特化している企業も多数あります。元保育士さんが転職を望む保育士さんに寄り添い転職サポートを提供している会社もあります。
保育士さんの利用は無料ですから、一人で転職活動をするよりも転職エージェントに登録の上で転職のプロと一緒に転職活動することで、年収アップに成功している保育士さんたちが増えているのが現実です。
体験談:保育士歴15年で年収600万円!?

この話は私の子供がお世話になった保育施設の園長先生の話です。保育士として20年働き、園長先生として働いている時に聞いた話です。

- 名前
- 海山 アキ(仮名)
- 経歴
- 短大卒業後に保育士として働き始め、キャリア20年目に園長となる
- 転職
- 転職回数は1回、前職は15年勤務し現職では5年勤務 6年目に園長
子どもが好きで首都圏某都市で保育士として15年働きました。年収が伸び悩み残業も多く、このままでは10年後は体力的にも続けられないと判断したそうです。当時は主任保育士のとして働いていましたが、保育士キャリアップ研修を受け転職。その後は転職先の新設保育園の立上げに従事し、20年目を迎えた年に園長になりました。
月収は50万円を超え、年収も600万円を超えたそうです。この背景には転職時に転職エージェントから受けたサポートと、国の政策が影響していました。10年前では想像できない年収となり、仕事の責任が大きくなると同時にやりがいも増え、充実した日々を過ごしています。
編集長の解説
海山さんは見るからにキャリア女子と言う印象でしたが、子供と接すると保育士の顔に戻るのでそのギャップが印象的でした。何よりも都内で需要のある新規保育施設の立上げに際しては数多くの現場を経験し、その仕事にやりがいを感じていました。
現在は別の新規保育施設の園長として働いていますが、貧困気味のギリギリの生活から収入的にもゆとりが持てるようになり、転職から5年以上経過した今が人生で一番充実していると笑顔で語っていました。
まとめ
保育士は資格業です。看護師や介護士、薬剤師も資格業の一つですが、同じ資格を持っているにも関わらず労働環境の違いや賃金格差が生まれることから転職の道を選ぶ人が多いのです。資格業の強みは他業種とは違い、年齢面で不利とされることが少ない点が特徴です。
特に有効求人倍率が高いとされるエリアで転職活動することで、今の職場では考えられない高待遇の職場に巡り合える可能性があります。こうした情報は転職エージェントが常に最新情報を抑えていますから、カウンセリングを受けて話を聞いてみると良いでしょう。
保育士さんが利用する分にはお金もかかりませんから、下記に記した転職エージェントをご覧になり、登録してぜひカウンセリングを受けてみて下さい。
編集長から見た保育士の転職におすすめの転職エージェント
マイナビ保育士
保育ひろば
ホイクナビ
保育FINE!
保育エイド
スマイルSUPPORT保育
保育士バンク
ほいくちゃんねる
保育バランス
保育メトロ
編集長MR.お~!から転職エージェント活用の心得え
- 転職エージェントは一つに絞らずに複数の転職エージェントを利用すること!!
- 労働条件や業種、職種、年収など希望をまとめておくこと!!
- 転職完了まで通常3~6カ月程度かかることを理解しておくこと!!
ご自身のキャリアを見直したい方や今の職場の環境や労働条件にご不満ある方、また転職にご興味ある方、まずは転職のプロに無料相談してみましょう。