転職体験談その14 失敗事例から学ぶ 保育士の転職でやってはいけないこと

体験談コーナーは編集長のMR.お~の実体験や身近な人の体験をご紹介しています。「他人のふり見て我がふり直せ」なんて昔の人は言いますが、他人の経験を反面教師としてあなたの転職活動に役立ててみて下さい。
実体験談:保育士の転職に失敗した事例
転職活動をする上で誰もが考えることは、転職前の職場以上の待遇や環境、人間関係など、転職前に抱いていた「転職動機を解消できる環境」ではないかと思います。具体的な内容に触れる前に、最初に保育士の転職に失敗した事例からご紹介します。

- 名前
- 大村 さち(仮名) 39歳
- 転職
- 保育園転職歴5回以上と転職が多い人
- 現在
- 転職に失敗し配送のアルバイト中
大村さんはあまり紹介したくない転職のケースでしたが、失敗事例も転職を考える人にとって役立つと思いましたので紹介します。
実際に転職活動を始めたのはちょうど一年くらい前のことです。知人を返して転職アドバイスに長けているということで私にコンタクトを取ってきた人でした。喫茶店でお会いして話を聞いたのですが、最初から違和感がありました。
待遇面を重視する彼女は、私の暮らす都内某行政区の認可保育園への転職を考えていました。私の暮らす街は待機児童ゼロを3年続け、今でも定員割れしている保育施設がいくつもあります。それでも新規保育施設がまだできるのですからすごい話です。
とにかく保育士が必要で、慢性的な人材不足の保育施設がいくつも存在しています。それだけに他の行政区の保育施設とは違い、家賃補助に始まり残業がないなど待遇面も他の街とは大きな差を打ち出しているのも事実です。
相談に来た時は「この街の保育士は楽な仕事でいい部屋に暮らして、残業もないんでしょ?紹介して下さいよ!」と言った感じでした。そんな都合の良い話が果たしてあるものでしょうか。私ははっきりと言いました。
「大村さん、そんなに都合が良い仕事があるなら皆さん苦労しないでしょ。」ところが彼女の返事は「お~!さんに相談すればそういう職場を紹介してもらえるって!」と初対面の私に馴れ馴れしくそう言ってくるのです。
私はあきれ返りましたが「とりあえず転職エージェントを2,3紹介するので登録してカウンセリングを受けてみて下さい。」と、保育士特化型で都市部に強い転職エージェントをいくつか紹介してその日は別れました。
一週間ほど経過後に「お~!さん、転職できそうです♪」と大村さんから連絡が入ります。エージェントのカウンセリングを受け、担当者の対応が良くまずはそこで満足していたようです。求人先の提案はこれからだとか。問題はここから始まります。
どうやら大村さんは2社の転職エージェントに登録し、カウンセリングを受けたようです。提案された求人先を見てがっかりしたと連絡がありました。がっかりした理由を聞くと「給与が安い」「新しい保育施設は不安」などなど否定的意見ばかりを言ってきます。
「納得できるような好条件は一つもなかったの?」私がそう返すと「ないことはないのですが…」と決めかねているようでした。「まずはエントリーしないと何も始まらないのだからとりあえずエントリーしてみたら?」そう言うと素直にうなずき、電話が終わりました。
今度はまた一週間ほどして電話が入ったのですが「面接に行ったけど建物が狭くてイヤ」「園長が私より若い」などなど、またまた文句ばかり言ってくるのです。私はこの段階で少し説教をしました。
「そんなに言うのであれば、理想の職場を提案してくれるまでアルバイトでもしていたら?あなたの理想の職がこの世に存在するか私には分からないけどね。」この電話を最後に、大村さんとは話をしていません。
大村さんは私に言われたからなのか分かりませんが、現在もアルバイトをして転職エージェントからの連絡を待っているようです。
失敗の事例を具体的に解説

この大村さんの事例から色々なことを感じるかもしれませんが、問題になっている点をいくつか解説いたします。
転職動機に問題
「楽をして働きたい」という転職動機を聞いて、どう思うでしょうか。私が採用を担当する立場であれば、こんな転職動機の人は採用しません。そもそも転職動機に問題ありです。
転職エージェントは転職先ではありません
転職エージェントに登録してカウンセリングを受けると、中には「もう転職できたようなもの」と勘違いする人も沢山います。結婚相談所に登録すれば結婚出来たようなものと勘違いする人と思考は同じです。
転職エージェントは企業と人材をマッチングさせることが仕事ではありますが、マッチングを保証するものではありません。一人で考えるよりもエージェントがサポートすることでより理想の転職に近づく可能性が高まるだけの話です。
キャリアが長い人ほど嫌な面ばかりを見がち
大村さんの場合、保育士経験が長いですから求人票に記載される内容を見ただけで「職場が見えたような気分」になりがちなのだと思います。実際に働いてみないとその職場の良し悪しなんてわかりませんから、求人票の情報だけで良し悪しを判断するのもいけません。
転職エージェントはカウンセリングで吸い上げた情報を元に、より転職ニーズに近い転職先を提案してきます。「私の方が見る目があるのよ。」大村さんの態度はそんな感じでしたから、エントリーにすら進みません。これでは転職なんて成功出来ません。
転職回数の多さもて転職には不利
大村さんはとにかく転職回数が多く、転職エージェントも転職先の紹介には相当悩んだと思います。大村さんのケースでは自分自身が積み上げた悪い意味でのキャリアが、好条件の職場を引き出すことが出来なかった理由につながったと考えられます。
中高年の転職ほど謙虚さが必要
保育士さんの転職に限らず、中高年の転職の場合では一般的に言われることが謙虚さについてです。転職先の上司が自分よりも年下になることは十分想定されます。それだけに年上を部下にしたくない理由から、中高年は転職にも不利な立場なのです。
「園長が私よりも年下だから嫌」という大村さんの言葉を裏返すと「年上を使いたくない園長は不採用を出す」とも取れるわけです。それだけに中高年世代の転職に必要なことはどんな人が上司でも新人の気持ちで謙虚な姿勢で働く姿勢です。
きっとまだまだ掘り下げれば問題は出てくると思いますが、ここまでの話で大筋転職に失敗した事例の解説で主立った点はピックアップできていると思います。
失敗事例から学ぶ保育士の転職成功の秘訣

中高年の転職に限らず、転職成功に必要な秘訣と言うものがいくつかあります。それをこれから解説します。
転職の動機を明確にする
転職に成功する人の共通点は、転職理由が明確であることが挙げられます。収入UP、通勤時間、残業時間、人間関係など、まずは自分の転職理由を具体的に書き出して整理することが必要です。その理由に対する強みを特徴とする転職エージェント選びも重要です。
転職動機を転職エージェントのカウンセリングで正直に伝える
転職エージェントを使った転職活動では、担当者の腕次第で転職の成功の有無が決まることもあります。その前段階として担当者に嘘のない経歴や正直な転職理由を伝えておくことが重要です。
転職エージェントの担当者の多くは数多くの人材を企業とマッチングさせてきたプロたちです。そのプロたちの力を引き出す意味でも、カウンセリングではすべてを正直に伝えた方が、転職成功の近道と言えます。
希望の転職先がない時は転職活動を停滞することも必要
大都市部の場合は別ですが、地方求人になるとマーケットは限られてしまいます。それだけに転職市場が動き出すタイミングも重要です。成功するための転職活動ですから、希望先がない時は待つことも大切です。ただし大村さんのようなわがままな動機の場合は別です。
保育士さんの転職市場が動き出すのは、職業柄新年度に向けた人材の入れ替えや補強が中心になります。大都市部のように新設保育施設が出来上がれば話は別ですが、人材の入れ替えを年に一回しかしない施設があるのも事実です。
時を待つことも転職活動をする上では大切だと思って下さい。コロナ渦の影響で転職希望者が多く出ているようですが、施設側が受け入れるかどうかは別問題ということも頭に入れておくべきでしょう。
まとめ
転職できない大村さんの悪い例を中心に伝えましたが、転職で一番大切なことは「転職する理由」です。この理由を自分の中で定めてから行動に移さないと、転職活動をすることで収入が下がったりするなど、状況悪化の原因にもなりかねません。
一人で転職活動をするとなれば転職理由を定めたとしても判断ミスをする可能性も出ます。かしこく転職に成功するにはやはり転職理由を明確にして、転職エージェントと組みながら働き甲斐のある職場探しをするのが良いでしょう。
転職エージェントにも特徴が存在しますから、自分の転職動機に合った転職エージェントを下記から探してみて下さい。無料で利用できるのですから使わない手はないと思います。
編集長から見た保育士の転職におすすめの転職エージェント
マイナビ保育士
保育ひろば
ホイクナビ
保育FINE!
保育エイド
スマイルSUPPORT保育
保育士バンク
ほいくちゃんねる
保育バランス
保育メトロ
編集長MR.お~!から転職エージェント活用の心得え
- 転職エージェントは一つに絞らずに複数の転職エージェントを利用すること!!
- 労働条件や業種、職種、年収など希望をまとめておくこと!!
- 転職完了まで通常3~6カ月程度かかることを理解しておくこと!!
ご自身のキャリアを見直したい方や今の職場の環境や労働条件にご不満ある方、また転職にご興味ある方、まずは転職のプロに無料相談してみましょう。